上映作品Program

宝塚映画名作選

宝塚映画製作所で作られた
名作の数々、一挙上映!

1951年、阪急の総帥 小林一三により「宝塚映画製作所」が設立されて72年。
かつて東洋一と謳われたモダンな撮影所を擁し、東宝系の製作会社として、日本映画黄金時代の一翼を担い、関西の風土・文化をいかした時代劇や人情喜劇、ミュージカル映画、文芸大作まで多彩で良質な娯楽映画176本を創り続けた。
小林一三生誕150年、「宝塚映画製作所」作品、7作品を一挙上映!!

すべて35mmフィルム上映
©TOHO CO., LTD.

開催記念トークショー

「宝塚映画を語る」

11/3(金) 15:00

  • ◎あいさつ:河内厚郎(宝塚映画祭実行委員長)
  • ◎宝塚映画元スタッフ トーク:
    梶山弘子さん(スクリプター)
    中川凱量さん(整音)
    三浦 紘さん(監督)

※この回のみ自由席になります。

川島雄三監督 没後60年、山崎豊子没後10年

暖簾

1958年/宝塚映画/白黒/123分
監督・脚本:川島雄三/原作:山崎豊子/脚本:八住利雄/撮影:岡崎宏三/美術:小島基司/音楽:真鍋理一郎/出演:森繁久彌、山田五十鈴、乙羽信子、中村メイコ、浪花千栄子、中村鴈治郎、扇千景、環三千世、頭師正明、山茶花究

淡路島から出てきて一人前の昆布商人に育った吾平(森繫久彌)は、主人の姪の千代(山田五十鈴)を嫁に迎えた。そこへ台風と水害が襲う。「暖簾は大阪商人の魂、これほど確かな抵当はおません」と銀行からの融資で切り抜けたものの、戦争がすべてを奪い去り、やがて戦後の復興へ向かう。山崎豊子(原作)の実家がモデル。監督は川島雄三。

◎ 11/9(木) 12:00の回の上映後、トーク開催

 ミルクマン斉藤さん(映画評論家)

井上梅次監督 生誕100年

太陽を抱け

1960年/宝塚映画/カラー/101分
監督:井上梅次/脚本:赤坂長義、蓮池義雄、京中太郎/撮影:岡崎宏三/美術:近藤司/音楽:多忠修/出演:宝田明、雪村いづみ、高島忠夫、朝丘雪路、神戸一郎、環三千世、加東大介、有島一郎、久慈あさみ、多々良純、柳沢真一

日活で石原裕次郎主演の『嵐を呼ぶ男』(1957年)を大ヒットさせた井上梅次は、宝塚映画でもミュージカル映画の秀作を連作。ミュージシャンとして成功を夢見るバンドマン、宝田明、高島忠夫、神戸一郎。強引にレコード会社に売り込み、組織の変革と新しい音楽を求めて奮闘するが…。当時の音楽事情も背景に、音楽に青春をかける若者たちを恋を交えて描く青春群像劇。

福田純監督 生誕100年

血とダイヤモンド

1964年/宝塚映画/白黒/96分
監督:福田純/脚本:小川英、間藤守之/撮影:宇野晋作/美術:竹中和雄/音楽:沢田駿吾/出演:宝田明、夏木陽介、佐藤允、水野久美、中川ゆき、志村喬、藤木悠、砂塚秀夫、石立鉄男、田崎潤

神戸税関から運び出された3億6千万円のダイヤの原石が、四人組の男たちに強奪された──。強奪を狙っていたギャング団、悪徳私立探偵が横取りを狙い、激しい闘いを展開する。若大将シリーズ、ゴジラシリーズなどの東宝の名手・福田純が宝塚で撮った秀作。緻密な演出、緊張感溢れるモノクロの画面に引き込まれっぱなしのスタイリッシュなノワール・アクション。

小林桂樹 生誕100年

団地 七つの大罪

1964年/宝塚映画/カラー/87分
監督:千葉泰樹、筧正典 原作:竹中労、塩田丸男/脚本:長瀬喜伴/撮影:西垣六郎、梁井潤/音楽:松井八郎/出演:小林桂樹、高島忠夫、加東大介、三橋達也、司葉子、団令子、浜美枝、草笛光子、益田喜頓、藤木悠、児玉清、八千草薫、船戸順、東郷晴子

公開当時、サラリーマンの憧れであった団地生活。そこで繰り広げられる七組の夫婦の艶笑ばなしをオムニバス風に綴る傑作喜劇。夫婦を演じるのは小林桂樹&司葉子、高島忠夫&団令子、加東大介&東郷晴子、三橋達也&八千草薫、藤木悠&草笛光子ら豪華俳優陣。女房族に操縦される亭主族の悲喜劇に大爆笑! 予想を超える面白さ! 宝塚映画、ここにあり!!

佐伯幸三監督 生誕111年

何処へ

1966年/宝塚映画/カラー/91分
監督:佐伯幸三/原作:石坂洋次郎/脚本:井手俊郎/撮影:村井博/美術:松山崇/音楽:山本直純/出演:加山雄三、星由里子、池内淳子、渥美清、久保明、稲野和子、東野英治郎、山茶花究、沢井桂子、原恵子

田舎町の中学校に赴任してきた若き英語教師(加山)をめぐって女生徒ばかりか、女教師や町の芸者までもが大騒ぎ。そんな中、校長派と反校長派の争いが始まる…。石坂洋次郎版『坊ちゃん』ともいえる原作を映画化した名匠・佐伯幸三の青春娯楽篇。原作の舞台は東北だが、宝塚に近い岐阜の田舎町に話を設定。渥美清の熱血体育教師ぶりも楽しい。

◎ 11/4(土) 11:55の回の上映後、トーク開催

 梶山弘子さん(スクリプター)

谷口千吉監督 生誕111年、森雅之 没後60年

カモとねぎ

1968年/東宝・宝塚映画/カラー/92分
監督:谷口千吉/脚本:松木ひろし、田波靖男/撮影:鈴木斌/音楽:真鍋理一郎/美術:松山崇/出演:森雅之、緑魔子、高島忠夫、砂塚秀夫、東野英治郎、小沢昭一、桜井浩子

端正な風貌の知性派俳優、新劇の名優でもあった森雅之が、晩年近くなって貴族ふう詐欺師をコミカルに演じた、邦画には珍しい犯罪喜劇。詐欺の一味に加わるホステス役に緑魔子。ほかに小沢昭一や山岡久乃、東野英治郎、藤村有弘、高島忠夫…賑やかな顔ぶれに落語家の桂米朝も加わる。監督は宝塚に縁ある谷口千吉。

山田風太郎 生誕101年

風来忍法帖 八方破れ

1968年/宝塚映画/カラー/88分
監督:川崎徹広/原作:山田風太郎/脚本:関沢新一/撮影:飯村正/音楽:広瀬健次郎/出演:渥美清、佐藤允、佐々十郎、中川ゆき、平田昭彦、藤田進、戸上城太郎、堺駿二、有島一郎

『風来忍法帖』(65年)から3年、山田風太郎原作の続編を同じ渥美清、佐藤允、佐々十郎の主演トリオで撮ったコメディ時代劇。香具師三人組は、奪った爆薬を戦っている豊臣、北条の両軍に売りつけようとするが…。翌年『男はつらいよ』を撮ることになる渥美清が最後に出演した宝塚映画。宝塚映画もこの後、同年の『河内フーテン族』、78年の『お吟さま』が最後の映画となった。

◎ 11/6(月) 13:45の回の上映後、トーク開催

 三浦紘さん(監督)

関西映画傑作選

阪神間、大阪を舞台に創られた
傑作2作品上映!

船場の旧家の4人姉妹を描いた谷崎潤一郎原作『細雪』の初の映画化作品と、大阪を代表する作家 織田作之助の不朽の名編を、川島雄三が映画化した『わが町』の関西が舞台の傑作2作品を上映!

すべてデジタル上映

2024年 高峰秀子 生誕100年

細雪

1950年/新東宝/白黒/141分
監督:阿部豊/原作:谷崎潤一郎/脚本:八住利雄/撮影:山中進/美術:進藤誠吾/音楽:早坂文雄/照明:佐藤快哉/出演:高峰秀子、花井蘭子、轟夕起子、山根寿子、藤田進、堀雄二、田崎潤、田中春男、河津清三郎、伊志井寛、千明みゆき、香川京子

戦時中は奢侈に過ぎると発禁になり、戦後まもなく出版されてベストセラーになった、谷崎潤一郎『細雪』の初の映画化。 芦屋の屋敷町を舞台に、没落してゆく船場の旧家・蒔岡家の4人姉妹を、高峰秀子・轟夕起子・山根寿子・花井蘭子が演じる。関西の四季折々の風景のなかに移りゆく時代の推移を描き出した名作。監督、阿部豊。

川島雄三監督 没後60年

わが町

1956年/日活/白黒/98分
監督:川島雄三/原作:織田作之助/脚本:八住利雄/撮影:高村倉太郎/音楽:真鍋理一郎/美術:中村公彦/出演:辰巳柳太郎、南田洋子、大坂志郎、殿山泰司、高友子、北林谷榮、小澤昭一、河上信夫、峰三平、三橋達也、菅原通濟

敬愛する織田作之助原作を、川島雄三が監督した大阪ものの代表作。フィリピンのベンゲットで困難な道路建設に従事した男(辰巳)が日露戦争勝利に酔う大阪天王寺の裏長屋に戻ると、かつて一夜を共にした女(南田)が幼子とひっそりと暮らしていた…。人力車の車夫として、娘と孫娘を育てあげる一代記。懐かしき大阪の街、電気科学館や天保山、心斎橋などで撮影。

追悼 龍村仁監督

龍村監督を偲んで
『地球交響曲 ガイアシンフォニー』
2作品を追悼上映!

今年1月に亡くなった宝塚出身の映画監督 龍村仁さん。
『キャロル』をATGで監督の後、フリーの演出家としてドキュメンタリーなどで活躍。
自然と人間をテーマにした『地球交響曲 ガイアシンフォニー』シリーズはライフワークとなり30年間で9作が製作。
龍村監督を偲んで『地球交響曲 ガイアシンフォニー』2作品を追悼上映。

すべてデジタル上映
©龍村仁事務所

トークショー

「龍村仁監督を語る」

11/5(日)12:00

  • ゲスト:龍村ゆかりさん(プロデューサー、龍村監督夫人)

※『地球交響曲 第三番』の上映後

地球交響曲 ガイアシンフォニー
第三番

1997年/龍村仁事務所/デジタル/カラー/150分
監督:龍村仁/監修:稲盛和夫/撮影:押切隆世、赤平勉/音楽:安藤賢次/ナレーション:木内みどり、榎木孝明/出演:星野道夫、フリーマン・ダイソン、ナイノア・トンプソン/声の出演:和田俊、三田村邦彦、榊原良子

「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」のコンセプトの元、龍村のライフワークとなった「ガイア」シリーズ第3作。1996年8月8日に亡くなった写真家 星野道夫が住んでいたアラスカへの旅を縦糸に、生死や文明の意味を問いかける。

龍村仁監督 遺作

地球交響曲 ガイアシンフォニー
第九番

2021年/龍村仁事務所/DCP/カラー/123分
監督:龍村仁/撮影:米田元、赤平勉、夏海光造/制作統括:龍村ゆかり/ナレーション:榎木孝明、鶴田真由/出演:小林研一郎、スティーブン・ミズン、本庶佑、弓野恵子、床みどり、堀悦子、石垣金星、石垣昭子、梶田真章

人類が持つ“音”の創造性を追求し、森羅万象を見つめた「ガイア」シリーズ最終作にして龍村の遺作となった第9作。作曲家の小林研一郎、認知考古学者のスティーヴン・ミズン博士、ノーベル生理学医学賞を受賞した医学博士の本庶佑に密着。「今こそ、私たちは耳には聴こえない“音楽”を聴く“想像力”を取り戻さなくてはならない時だと感じる」そう語る龍村仁の壮大なる遺作。

龍村仁監督
プロフィール

たつむら じん
 1940年宝塚市生まれ。63年京都大学文学部美学科卒業後、NHK入局。74年ATG映画『キャロル』を制作・監督したのを機にNHKを退局。その後、ドキュメンタリー、ドラマ、コマーシャルなど、数多くの作品を手がける。76年『シルクロード幻視行』でギャラクシー賞、92年『宇宙からの贈りもの・ボイジャー航海者たち』でギャラクシー選奨受賞。89年から制作を開始したライフワーク『地球交響曲 第一番』を92年に発表。以後2021年の最終作となった『地球交響曲 第九番』まで9本のシリーズを連作し、全国規模の活発な自主上映会によって、各地で延べ250万人もの観客を動員、いまなおロングランヒット作となっている。著書に『地球(ガイア)のささやき』ほか。2023年1月2日死去。享年82歳。

プレイベントPre-event

戦争と平和
宝田明の証言

俳優、宝田明が贈る
“魂のメッセージ”

東宝ニューフェイスとして俳優業を始め、東宝、宝塚映画で活躍した宝田明。彼は、子供の頃、満洲で壮絶な戦争体験をしていた。2022年3月14日に亡くなった宝田明が、そのわずか3か月前に語った生前最後のメッセージ。現代に生きる人々へ贈る言葉がここにある。

2021年/アルタミラピクチャーズ/カラー/93分
監督・編集:後閑広/製作:桝井省志/撮影:谷口和寛/出演:宝田明/聞き手:森田美礼

上映時間10/27(金)〜 11/2(木) 10:00
料 金一般:1700円
学生・シニア:1200円
会 場宝塚シネ・ピピア
(阪急宝塚線「売布神社」駅前/ピピアめふ5F)

〈お客様へのお願い〉